『少量でも危険!犬に食べさせてはいけない食材』

私たち人間は、ある意味最強の雑食動物なのかもしれません。

なぜなら、犬が食べた場合は体に害を及ぼす食べ物でも、人間は当たり前のように食べてしまえるからです。

しかも、人間にとっての健康食材が、犬を中毒死させてしまうことも。

だからこそ、犬にとっての危険な食べ物は何であるかを、飼い主はきちんと知っておくべきではないでしょうか。

知らなければ犬が食べてはいけない食材を、犬のすぐ近くに無造作に置いてしまうかもしれません。

それどころか愛犬のおねだりに負けて、飼い主みずからがおすそわけしてをしてしまうことも。

食べてはいけないものは何十種類にものぼるため、そのすべてを把握するのはなかなかに困難です。

だからこそ、少なくとも命にかかわるほど危険性の高い食材については、押さえておきましょう。

■たまねぎ、ながねぎ、ニラ、らっきょう

含まれているアリルプロピルジスルフィドという有機化合物が赤血球を破壊してしまうため、溶血性貧血を引き起こします。

そして最悪は呼吸困難や心停止などで死亡してしまう可能性も。

特にたまねぎはアリルプロピルジスルフィドの含有量が多いため、少量でも体調不良の原因になりやすいので注意が必要です。

・摂取すると危険な量/体重1kgあたりでおよそ15g

体重5kgの小型犬だと、たまねぎ75gを食べてしまうとほぼ確実にたまねぎ中毒の症状がでます。

たまねぎ中玉1個はおよそ200g。

つまり、半分にも満たない量で危険な状態に陥る可能性があるわけですね。
たまねぎは辛みがあるので、半分近くも食べるわけがない、などと油断してはいけません。

アリルプロピルジスルフィドは加熱処理をしても変化しないため、煮込み料理やスープに入っている具材のたまねぎはもちろんのこと、成分が溶け出している液体も危険です。

■カカオが原材料のチョコレートやココアなど

チョコレートの原材料となるカカオに含まれているテオブロミンとカフェインいうアルカロイド(有機化合物)の一種によって、中毒を起こします。

テオブロミンが中枢神経に作用して興奮状態を引き起こし、心筋に影響を及ぼします。

中毒症状としては嘔吐や下痢、脱水などがみられるほか、さらに症状が進んでくると筋肉が痙攣したり硬直し、昏睡状態に陥ったまま死亡する可能性も。

・摂取すると危険な量/体重1kgあたりテオブロミン100~200mg

体重5kgの小型犬だと、テオブロミン500~1000mgが致死量の目安。
そして市販されているチョコレート製品に含まれているテオブロミンの量は

・製菓用の無糖チョコレート50g/テオブロミン650mg
・製菓用のセミスイートチョコレートチップ50g/テオブロミン245mg
・無糖のココアパウダー大さじ1杯/テオブロミン140mg
・カカオ70%以上のダークチョコレート50g/テオブロミン400mg
・カカオ60%代のダークチョコレート50g/テオブロミン315mg
・一般的なミルクチョコレート50g/テオブロミン75~120mg

ちなみに市販されている板チョコ1枚の重さはおよそ60gです。

そこから考えると、小型犬は高カカオタイプの板チョコを1枚食べてしまった場合、テオブロミン中毒でかなり危険な状態に陥る可能性があるということですね。

小型犬が板チョコ1枚を食べるだろうか?と疑問に思うかたもいらっしゃるかもしれません。

しかし、食いしん坊の犬と暮らしている飼い主さんなら、それがいかにあり得ることであるのかを十分に理解できるのではないでしょうか。

■キシリトール入りの食べ物

キシリトールといえば、私たち人間にはガムやタブレットでお馴染みの甘味料。

犬が食べると膵臓から急激にインシュリンが放出されて、低血糖を引き起こす原因になります。

初期症状としては嘔吐や脱力、歩行困難などですが、症状が進行すると急性肝不全を引き起こすこともあり、とても危険です。

・摂取すると危険な量/体重1kgあたりキシリトール0.1gで低血糖、0.5gで肝毒性

キシリトールガム1粒に含まれているキシリトールの量は、メーカーや製品によってまちまちですが、おおむね0.5g~1g程度。

ということは、体重5kgの小型犬で考えた場合、1粒で低血糖を起こし、2粒3粒食べてしまえば肝臓にダメージを受ける可能性があるのです。

そんな危険なキシリトールですが、数年前までは犬用のオヤツ(おもに歯磨き用のガム)にも配合されているものがありました。

歯に良いというイメージからキシリトール入りを前面に押し出していたわけですが、いま考えると背筋がぞっとします。

さすがに最近では見かけなくなりましたが、もしかしたらまだ犬のオヤツにキシリトールを配合している製品があるかもしれません。

市販のオヤツを購入する際は、原材料をきちんと確認したほうがよさそうです。

■ブドウとレーズン

ブドウやレーズンが犬にとって危険な食材であるということは、比較的近年になって判明した事実です。

そのため、どの成分がどのように作用して症状を引き起こすのか、詳しいことはまだ完全には解明されていません。

また、ブドウに対して強い反応を示す犬がいる一方で、まったく症状が起きない犬も。

しかし、ブドウによって中毒を起こした犬は、嘔吐や下痢、食欲不振といった症状が見られるだけではなく、急性腎不全に陥った症例も確認されています。

急性腎不全は最悪の場合は死に至る恐ろしい状態。

食べても症状が起きない犬がいるとはいえ、やはりすべての犬に食べさせるべきではない食材と考えるべきではないでしょうか。

・摂取すると危険な量/体重1kgあたりブドウ19.5g、レーズン2.8g

巨峰は1粒がおよそ18g程度。

これを体重5kgの小型犬にあてはめると、5~6粒食べてしまうと体調不良を引き起こす可能性があります。

また、レーズンは1粒を0.7g程度と考えた場合、20粒程度といったところでしょうか。
水分が抜けているレーズンはブドウの成分が凝縮しているため、小さくても危険性が高いのです。

■アボカド

森のバターとも呼ばれる栄養満点のアボカド。

ペットにも食べさせたくなりますが、アボカドは犬にとって危険な食材の一つ。

なぜなら、アボカドに含まれているペルシンという殺菌作用のある毒素が作用する可能性があるからです。

アボカドの毒性については賛否両論あり、どの程度の量で危険な状態に陥るのかなど、詳しいことは現在研究中なのだとか。

しかし、ペルシンにはタンパク質代謝阻害作用があることが判明していることからも、体調不良の原因となることは間違いなさそうです。

実は、ペルシンを摂取すると鳥は心筋組織に障害が起きて死亡してしまう可能性が極めて高く、ウシやヤギなどは乳房炎を引き起こすことが判明しています。

犬の場合にみられる症状の中心は嘔吐や下痢なので、まだマシといったところでしょうか。

しかし、呼吸困難や心筋障害、肝障害といった重篤な中毒症状を起こした犬の症例も報告されているため、油断はできません。

そんなアボカドですが、アメリカ産のドッグフードの中には原材料に使っているものがあります。

それはなぜかといえば、アボカドに含まれているペルシンの含有量は、産地によってかなりの幅があるからなんですね。
カリフォルニア産のアボカドはペルシンの含有量が少ないため、ドッグフードの原材料として使われているほか、アメリカの家庭ではアボカドを犬に与えることにあまり抵抗がないようです。
しかし、日本で販売されているアボカドはグアテマラ種が多く、この種類はペルシンの含有量が多いので犬が食べるのには適していません。
自分が購入しているアボカドが、ペルシンの含有量が多いタイプが少ないタイプかを見極めるのはなかなかに困難。
結論として、アボカドは犬に食べさせないほうが安全であることは間違いありません。

■ドッグフード以外のものを食べさせるなら、まずは情報の確認を

愛犬が喜ぶから食べさせていたものが、実は体の害になるものだったとしたら……。
ドッグフードだけを食べさせていれば、犬の体に害のあるものを食べさせてしまう可能性はきわめて低いでしょう。
しかし、自分たちが食べている食材を与えたいと思うなら、食べさせる前に情報を確認することが大切です。
私たち人間にとっては普通の食べ物が、犬の体には害を及ぼす可能性があることを忘れるべきではありません。

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