キャットフードの成分を調べるうえで最も気になるのは「人工添加物の種類と含有量」ではないでしょうか?
多くのキャットフードには様々な添加物が含まれており、使用されている添加物の種類はそれぞれ異なります。
「添加物ってどんなものでも体に悪いのかな?」
「でも毎日手作り食を作るのは大変だし…」
などと悩んでしまい、結局どのキャットフードを選べばよいのか迷ってしまう飼い主さんは多いもの。
そこで今回は、キャットフードに使われる代表的な添加物と食べても問題のない添加物についてご紹介します。
危険な添加物とはどんなものなのか?猫ができるだけ健康で長生きできるよう、ぜひ知っておいてくださいね。
Contents
そもそも食品添加物ってどんなもの?
食品添加物とは「食品の製造や加工の際に、酸化や腐敗防止などを目的として添加される物質」のことです。
つまり添加物には、食品が腐ったり鮮度が落ちたりするのを防ぐ役割があるものということですね。
その他、代表的な食品添加物としては、着色料・香料・うま味料・保存料などがあげられます。
▲食品添加物が体に悪いと言われる理由
食品添加物のなかには、人間が人工的に作り出した添加物「人工添加物」という物質があります。
人工添加物の原料は石油やタールなどの化学物質であり、自然由来のものではありません。
そのため、人や猫が長期にわたって摂取をすると健康を害する危険があると言われているのです。
食品添加物の主な健康被害としては、発がん性や腸内環境の悪化などがあげられます。
キャットフードに含まれる主な添加物
わたし達人間の食品と同じように、キャットフードには様々な添加物が使用されています。
それぞれの添加物には役割があり、成分によって効果も異なります。
▲酸化防止剤(防腐剤)
キャットフードに含まれる油脂の酸化を防ぐことで、商品の保存性を高める働きがあります。
カビや細菌などの微生物の成長を抑制する効果があるため、有害物質の発生を防ぐこともできます。
殺菌効果はなく、あくまで成長を遅らせる働きを持っている添加物です。
主な酸化防止剤(防腐剤):ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エトキシキン
▲着色料(発色剤)
キャットフードに色を付け、人間がみて美味しそうと感じる色味に調整する添加物です。
キャットフードにはよく赤色の着色料が使用されていますが、猫は赤色を認識することができません。
着色料の中には、食品の風味を高める効果があるものも存在しています。
主な着色料(発色剤):赤色102号、赤色40号、青色2号
▲保湿剤(増粘剤)
ウェットタイプやセミモイストタイプのキャットフードに使われる添加物です。
食品に滑らかさや粘り気を与えることで、猫の嗜好性と口当たりを高める働きがあります。
主な保湿剤:プロピレングリコール、ペクチン、グアーガム
▲香料
キャットフードの嗜好性を高めるために使用される添加物で、猫の好む香りをしています。
猫の食欲は大部分が香りによって刺激されるといわれているため、多くのキャットフードに使用されています。
主な香料:〇〇フレーバーなど
▲調味料
キャットフードにうま味などを与えることで、猫が毎日食べても飽きない味に仕上げることが出来ます。
人間ではうま味の他に甘みや酸味などの調味料を加えることもありますが、猫には主にうま味のみを使用します。
主な調味料:グリシリジン、アンモニエート、グルタミン酸ナトリウム
猫にとって有害な添加物
ひとくちに添加物といっても、様々な種類と役割があることが分かりましたね。
ではこれらキャットフードに含まれている添加物の中で、猫の体にとって有害なものとは何でしょうか?
ここでは、猫の健康を害する危険のある人工添加物について説明していきます。
▲もっとも危険!猫の発がん性を高める添加物
キャットフードに使われている添加物のなかで、もっとも危険なのは酸化防止剤(防腐剤)です。
なかでもBHAとBHTには発がん性があり、過剰に摂取すると歩行障害、消化管からの出血、臓器不全などを引き起こすことも…。
そもそもこれらの添加物は、ガソリンや石油の酸化を防止する目的で作られた人工的な化学物質で、食品用ではありません。
エトキシキンにいたっては、除草剤や小動物の駆除剤など「生き物の命を奪う目的」で開発されたものなのですよ。
BHAは1度、国内での使用を全面禁止にする動きがありましたが、添加物大国であるアメリカなどからの圧力で現在も使用されています。
人間の食品への使用が禁止されていない以上、当然キャットフードの使用に関する規制もありません。
つまり、環境省が定める基準値を超えている商品でなければ、製造・販売することが認められているのです。
キャットフードへの使用が認められている酸化防止剤(防腐剤)の量は、人間の基準値とほとんど変わらない量です。
人間よりも体の小さい犬や猫たちが、わたし達人間と同じ量の化学物質を摂取しても問題はないのか?疑問が残るところですね。
▲その他の人工添加物も、猫の健康にとっては必要ないもの
キャットフードに含まれる添加物のなかで、もっとも不必要なのは着色料です。
猫をはじめとする動物たちは、わたし達のように見た目で味を判断したり、食欲がわいたりすることはありません。
そのため、キャットフードにいくら美味しそうな色を付けたとしても、猫にはまったく必要がないのです。
また、うま味調味料や香料などもキャットフードにはまったく必要ありません。
そもそも、質の良い原材料を使用しているキャットフードならば自然と良い香り・味がすると思いませんか?
これらの添加物は、猫の嗅覚や味覚をごまかすために添加されるものだといってよいでしょう。
猫にとって安全性の高い添加物とは?
添加物と聞くと悪いイメージばかりが浮かんできますが、例えフードに含まれていても安心できる添加物も存在します。
キャットフードを選ぶ際は、以下のような添加物のみが使用されている商品を選ぶようにしましょう。
▲ミックストコフェロール
自然由来の酸化防止剤のことをミックストコフェロールといいます。
主な原料となる物質はビタミンCとビタミンEで、どちらも油脂の酸化を防止する役割を持っています。
ただし、栄養分としてのビタミンとは構造が異なるため、サプリメント代わりにはなりません。
▲ローズマリー抽出物
ハーブ系の植物であるローズマリーの葉から、酸化や退色を抑える成分を抽出したものです。
ローズマリー抽出物は無味無臭のため、動物だけでなく人間の食品にも広く利用されています。
ビタミンEと反応することによって酸化防止効果が高まるため、合わせて摂取することが推奨されています。
猫の健康を本当に考えるなら、これらの添加物が使用されているキャットフードを選ぶべきでしょう。
しかし、自然由来の添加物は人工添加物よりも効果が弱いため、保存方法によってはフードがすぐに傷んでしまうことも。
人間の食品もそうですが、一般的に食べ物は空気に触れれば触れるほど酸化や劣化が進んでしまいます。
できるだけキャットフードの鮮度を保てるよう、フードは冷暗所で密閉容器に入れて保存するようにして下さいね。
缶詰は開封後3日以内、ドライフードは1~2ヶ月を目安に使い切りましょう。
すべての添加物が猫の体に影響するわけではない
キャットフードに含まれる添加物には様々な種類があり、それぞれ効果や危険性は異なります。
添加物とひとくちにいっても、猫にとって有害なものもあれば、まったく無害なものもあるということですね。
添加物に関する正しい知識を持つことは、猫の健康を守るうえでとても大切です。
キャットフードを選ぶ際は、猫に危険な成分が入っていないかどうか原材料名をしっかりと確認するようにしましょう。
愛猫がこれからもずっと元気でいられるように、細かくチェックしてみて下さいね!