犬に食べさせてはいけない食材と聞いて、どんなものを思い浮かべるでしょうか?
塩気の強い食べ物、香辛料、チョコレート、コーヒー、アルコールなどなど、数え上げればきりがないほど、犬には食べられないものがたくさんあります。
そして、タマネギとニンニクもまた、犬に食べさせてはいけない食材としてはかなり知られていますよね。
しかし、ここで疑問が。
ニンニクは、犬に食べさせてはいけない食材と言われているにも関わらず、ドッグフードの原材料に含まれていることがあります。
食べさせてはダメな食材のはずなのに、ドッグフードに使われている……。
これはいったい、どういうことなのでしょうか?
Contents
タマネギは命に関わる中毒を引き起こす食材
タマネギをなぜ犬に食べさせてはいけないのか――。
それは、アリルプロピルジスルフィドという有機硫黄化合物が含まれているからです。
これはタマネギだけではなく、ネギ類やラッキョウ、ニラなどにも含まれている成分。
そして、アリルプロピルジスルフィドこそがネギ類独特のにおいの正体です。
そんなアリルプロピルジスルフィドをなぜ犬に食べさせてはいけないのかといえば、それは赤血球内のヘモグロビンを酸化させてしまうからです。
酸化によって赤血球が破壊されてしまうと溶血性貧血を起こします。
つまりは壊れた赤血球が酸素を運ぶことができなくなってしまうわけですが、事態はそれだけでは終わりません。
赤血球が破壊されたことによって内部のカリウムが血液中に漏れ出してしまい、血液が高カリウム状態に。
するとカリウムは心臓機能の調節に大きく関わっていることから、不整脈や心停止を引き起こしてしまう可能性があるのです。
タマネギの中毒という言葉だけを聞くと、嘔吐や下痢といった症状ばかりを連想してしまいがち。しかし実際は命に関わるほど危険な中毒なのです。
タマネギ中毒の治療
犬がアリルプロピルジスルフィドによって溶血性貧血を起こした場合、以下のような症状がみられます。
- 嘔吐や下痢
- 元気消失
- ふらつき
- 血尿
- 黄疸
黄疸は全身が被毛で覆われている犬の場合、発見するのが難しい症状。
しかし、なにかおかしいと感じたら眼球を確認してください。
こういった症状を見てもわかるとおり、タマネギは絶対に食べさせてはいけない食材。
もしも誤って食べてしまったら、早急な処置が必要になります。
すぐに吐かせるのはもちろんですが、実は有効な治療法がありません。つまり、あくまでも対処療法によって命をつなぐしかないのです。
ビタミン剤を投与したり、利尿剤によって成分の排出を促すとともに、必要に応じて強心剤などを用いることもあります。
また、重症の場合は輸血をしなければいけなくなるため、いずれにしろ一刻も早く動物病院へ連れていく必要があります。
ニンニくにもアリルプロピルジスルフィドが含まれてはいるが……
タマネギなどのネギ類に含まれているアリルプロピルジスルフィドが犬に与える影響の恐ろしさについて述べてきましたが、実はニンニクにも同じ成分が含まれています。
だったらニンニクも犬には絶対に食べさせてはいけない!と言いたくなるところですよね。
しかし、これが一概にそうとも言い切れないのです。
というのも、ニンニクに含まれているアリルプロピルジスルフィドの量が少ないからなんですね。
でも、ニンニクも独特のニオイがするのに大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、ニンニクのニオイの正体はアリルプロピルジスルフィドではなくてアリシン。
そして、ニンニクの効果を知れば知るほど、微量に含まれているアリルプロピルジスルフィドのせいで毛嫌いしてしまうのがもったいない、と思えてくるのではないでしょうか。
ニンニクは天然の抗生物質
ニンニクに含まれている成分の中で、注目したいのはアリシンというニンニク由来の化合物です。
胃粘膜を刺激してしまう成分ということもあり、摂取しすぎると嘔吐の原因になるというデメリットはあるものの、そのメリットには目を見張るものが・・・。
私たち飼い主が愛犬の健康を守るうえで、細心の注意を払わなければいけないことといえば感染症。
原因となるものが目に見えないだけに、厄介極まりないですよね。
そんな感染症に効果がある成分が含まれていると聞けば、「犬に食べさせてはいけない食材」としてバッサリ切り捨ててしまうのは、なんだか惜しいと思いませんか?
また、ニンニクが持つ効果は抗菌作用や抗カビ作用だけではありません。
摂取したアリシンが代謝される際に皮膚から微量に放出されるのですが、これがダニやノミを除ける効果があるのです。
実際に、欧米のドッグフードには原材料にニンニクが含まれているものがいくつもありますし、犬用のサプリメントとして「ガーリック」という直球ど真ん中のラインナップまであるぐらいです。
まだまだある!ニンニクのすごい効果
犬の食材にニンニクを加えた場合、期待できる効果は抗菌作用や抗カビ作用だけではありません。
様々な種類の化合物が含まれていて、体の熱を作る作用や免疫力をアップさせる効果が期待できまるのです。
また、肝臓の持つ解毒作用を活発化させる効果にも注目が集まっています。
もはや食材というより薬と呼んだほうがいいのではないかと思えるニンニク。
そもそも、私たち人間がニンニクを食材として加える場合も、基本的にはメイン食材としてではなく、薬味としての使い方が一般的ですよね。
それはつまり、犬だけではなく人間も、ニンニクはもりもり食べるものではなく、薬味や風味付けとして少量を用いる使い方が一番理に叶っている、と知っているからではないでしょうか。
ニンニクの薬効を引き出すなら、生で微量という使い方が一番
どれだけニンニクに薬効があろうとも、過剰に摂取すれば害のほうが前面に出てしまうことは間違いありません。
とはいえ、せっかくこれだけ薬効のある食材が簡単に手に入るのです。
愛犬の健康作りに役立てない手はありません。
ニンニクを丸ごと食べてもなんともない人がいる一方で、ほんの少しでも胃痛を引き起こしてしまう人もいます。
それは犬にしても同じこと。まずは耳かき1杯から試してください。
与える際は、可能な限り「生」のまま与えたいところです。
と言うのも、殺菌効果抜群のアリシンは熱を加えると分解してしまうからなんですね。
しかし、生のニンニクは胃粘膜を刺激してしまうため、くれぐれも与えすぎはNGです。
そして、体質に合っているとわかってからも、やはり与えすぎは絶対に避けるべき。
タマネギは絶対に与えない、ニンニクはほんの微量だけ
犬に食べさせてはいけない食材リストの中には、必ずといっていいほどタマネギもニンニクも記載されているものです。
確かにタマネギは、ほんの少しも食べさせる必要のない食材、といえるのではないでしょうか。
何かの拍子にほんの一口分ぐらい誤食したとしても、そうそう体調を崩すところまではいかないでしょう。
それに対してニンニクは、タマネギと同じような避け方をする必要はない食材。
とは言え、だからといって闇雲に食べさせるようなものではなく、あくまでも薬としてほんの微量、と憶えておくのが一番です。
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